写真やフォトブックに関するインタビュー
写真やフォトブックに関するインタビュー
写真界の巨匠、植田正治さん。ここのコラムを見てくださっている方なら、ご存知の方がほとんどかもしれませんね。
今回は、鳥取にある「植田正治写真美術館」をご紹介したいと思います。
1913年に鳥取で生まれた植田正治さんは、鳥取を離れずに写真家の活動を続けられた、世界で最も注目された日本人写真家です。その作風は、フランスを始め海外で「Ueda-cho(植田調)」と評されるほど。ちなみに、筆者の尊敬するアンリ・カルティエ=ブレッソンは、1908年生まれなので、二人の写真家は、写真がメディアとして、また芸術として認められるようになった同じ時代を生きたことになります。
では、植田調とは一体なんなのでしょう。公式HPによると、「山陰の空・地平線・そして砂丘を背景として、被写体をまるでオブジェのように配置した植田正治の演出写真」となっています。
植田作品の代名詞とも言えるのが「砂丘シリーズ」。鳥取砂丘で、奥様を撮影したシリーズとして有名です。いわゆる記念写真とはまったく違う、シンプルなのに計算されつくされた構図は、今も尚写真家たちを魅了し続けています。
そんな植田調を贅沢に堪能できるのが、鳥取にある「植田正治写真美術館」。1万2千点以上にも及ぶ、ご本人からの寄贈作品を収蔵しています。
美術館は写真家と建築家のこだわりが沢山詰まっていますが、中でも人気なのが2階にある「逆さ大山」が臨めるスペース。植田作品を象徴するシルクハットに遊び心を感じます。
同じく2階にある注目スペースは、まるで自分がカメラの内部にいるかのような体験ができる「映像展示室」。植田正治さんのプロフィールや活躍が紹介された後に映し出されるのは、リアルタイムの「逆さ大山」。600kgを超える世界最大のカメラレンズで映しているというから驚き。これはもう、写真では無く訪れて体感していただきたいです。美術館の後は鳥取砂丘で撮影する、なんてコースも贅沢。
■ 植田正治写真美術館
住所:689-4107 鳥取県西伯郡伯耆町須村353-3
電話番号:0859-39-8000
営業時間:9時~17時
定休日:火曜日
入場料:一般900円
[All photos by 植田正治写真美術館]
【執筆者 maaya(まあや)】
1988年、埼玉県生まれ。日本大学芸術学部で写真学科を専攻後、写真事務所にて修行。第2回世界旅写真展入選。
アンリ・カルティエ=ブレッソンの写真に魅了され、カメラを片手に海外を放浪。現在、
フリーのフォトライター/編集として「TABIZINE」の他、Webニュース媒体で記事執筆/撮影を担当。
旅の終わりにフォトブックを作ることが好き。
好きなカメラ:Nikon/FUJIFILM
好きな言葉:「写真を撮ること、それは、同じ照準線上に頭、目、心を合わせること。つまり、生き方だ。」(アンリ・カルティエ=ブレッソン)