写真やフォトブックに関するインタビュー
写真やフォトブックに関するインタビュー
写真のディスプレイ方法をほんの少し工夫するだけで、写真の持つ雰囲気を引き立て、より素敵なものへと変化させることができます。今回は、楽しく簡単におしゃれなディスプレイができる、「写真の飾り方」のハウツーをご紹介!教えてくださる先生は、写真家・コムロミホさんです。
写真を撮る楽しみの後には、飾る楽しみも待っています。撮った写真をPCやカメラの中に閉じ込めておくだけでなく、プリントして楽しんでみましょう。
アドバイスしてくださったコムロさんは「簡単でお金をかけずに、写真をおしゃれに飾る」をテーマに、ものづくりに取り組んでいます。
「私の場合、写真を飾るために作るディスプレイのアイテムは、あまり大きなものではなく、小さめで写真の大きさに合うサイズで作るようにしています。というのも、大きなサイズのものだと、写真を掛け替えたり、掃除をするのも大変なので、ついつい飾りっぱなしになってしまうからです。まずは、時間もお金もかけず、写真の周りを飾るようなイメージで、机の上で作れるサイズのディスプレイから挑戦してみると、飾る楽しみや手軽さをすぐに実感できると思います。
身の回りにある生活用品の中にも、ちょっとした工夫次第で、ディスプレイグッズに変身させることができます。『これをこう使ってみたらどうだろう?』というように、身近に手に入るもので、ディスプレイのアイディアを考えるのも楽しい作業のひとつです。」
ではさっそく、世界に1つだけの写真のディスプレイアイテムづくりを楽しんでみましょう!
ハンガーやクリップなど、はさむことができる身近なアイテムを使ったディスプレイのコツを紹介します。
「この方法なら面倒な準備もほとんど必要ありません。すぐに実践できて、写真の掛け替えも簡単です。季節ごとに写真を変えたり、気分に合わせて、日々お気に入りの写真をこまめに変えると、お部屋の雰囲気も少しずつ変化して楽しめると思います。」
「インテリアショップで購入したパンツハンガーに、ストライプのランチョンマットをはさんで背景にし、ディスプレイボードにしています。そこにメッセージカードと海外に旅行したときのお気に入りの写真をはさむだけで出来上がり。さらに、空いたスペースが寂しかったので、マスキングテープでも写真を貼ってアレンジしています。」
パンツハンガーは木製やワイヤー製のものを選ぶとおしゃれ度がアップ。フック部分が引っ掛けられるので、ちょっとしたスペースに手軽に飾れるのも魅力の1つだそうです。
「市販の木製のクリップに、スタンプでお好みの文字を押します。クリップは300円ぐらいで手に入ります。クリップの金具に麻ヒモを通して吊るすだけでも、可愛く飾ることができます。」
この方法なら、写真を1枚ずつ掛け替えられるので、お気に入り写真が撮れたらすぐに入れ替えて飾ることもできますね。
市販のものにひと手間加えるだけで、オリジナルのディスプレイボードがつくれます。休日などを利用して、DIYに取り組んでみてはいかがでしょう?
「ベニヤ板を使えば、賃貸住宅の場合でも壁に傷をつけたりしないでディスプレイできます。またお掃除をするときも、ボードごと移動すればいいので、邪魔になることがありません。また、塗料の色を変えてもまた違った雰囲気になるので、お好みでいろいろアレンジしてみても楽しいでしょう。」
▼用意するもの
ベニヤ板 35cm×35cm
紙やすり
塗料(オイルステイン:ウォールナッツ)
クリップ
接着剤
糸ノコギリ
▼作り方
1.ベニヤ板を飾りたい大きさに糸ノコギリでカットします。
(写真では約35cmくらいの正方形にカットしています)
※ホームセンターなどでカットしてくれるサービスもあるので利用するのもいいでしょう。
2.カットした板の角を紙ヤスリで削って丸くします。
3.表面も紙やすりで削って粗い手触りにします。
4.オイルステインという塗料のウォールナットカラーで一度塗りします。
5.塗料が乾いたら、表面を紙やすりで磨きます。
6.クリップを接着剤で貼り付けたら出来上がり。
アンティーク系で統一することが多いというコムロさん。マスキングテープもアンティークなイメージに合う物を選んで使うことで、空間に統一感がうまれるそうです。
「落ち着いたアンティーク系の雰囲気にディスプレイしたいなら、マスキングテープは英字や、アンティーク小物がプリントされたものなど、茶色系のものがおすすめです。もし、アンティーク風より、ポップなほうが好きなら、水玉やストライプのマスキングテープなどもいいでしょう。モノクロの写真などであれば、マスキングテープはモノクロや、逆にキレイな色のものを選んでアクセントにしても楽しめると思います。」
「殺風景になりがちなトイレの壁に、海外で撮影したお気に入りの写真をマスキングテープで貼りつけました。写真だけだと味気なかったので、ドライフラワーやお土産に買った古書のページなども一緒に飾っています。あまり写真と写真の間隔をあけずに貼るのがポイント。とくに、横位置の写真と縦位置の写真を何枚かずつ集合体で貼るとキレイに見えます。」
コムロさんは、壁の黄色と合わせて、マスキングテープは黄色をチョイス。壁や写真のテイストに合わせて、マスキングテープを使い分けて、オリジナリティの演出も簡単にできちゃいます。
ディスプレイのアクセントにもなり、写真をオシャレに引き立ててくれる、コムロさんおすすめの素材は『ロウ引きのペーパー』。半透明の質感が写真と相性がよく、さまざまなシーンで活躍してくれます。
「ロウ引きのペーパーなんて近所で売っていない!と思う人も多いと思いますが、実は簡単に自宅で手作りできるんです。必要なのは、お気に入りの包装紙や折り紙、封筒など身近にある薄めの紙とロウソクだけ。道具も家にあるアイロンや100円ショップで揃えられるような身近なものばかりなので、ぜひ試してみてください。」
紙をロウ引きすると、半透明のように透けた風案になり、お洒落な仕上がりになります。普通の茶封筒などもこの方法でロウ引きすると、ラッピングするときやディスプレイコラージュするときにも使えて便利です。
ロウ引きペーパーと写真を組み合わせて、オリジナルのオーナメントを作ってみましょう。
「壁に貼ってインテリアにしたり、本にはさんでしおりにしたりと用途を考えるだけでも楽しくなるアイテムです。プレゼントのラッピングにつけて渡せば、自分らしさを出せますし、もらった人もきっと喜んでくれると思います。」
▼用意するもの
プリントアウトした写真
お好みの紙
ロウソク
クッキングペーパー
おろし器
アイロン
ハトメ(1組)
ヒモ(お好みの長さ)
▼作り方
1.写真を薄めの紙(ここではハトロン紙を使用)にプリントアウトします。
2.1.とお好みの紙を好きな大きさにカットします
3.ロウソクをおろし器で削ります。
4.2.の紙の上から削ったロウソクの粉をまんべんなくまぶします。
※まぶすのは表側でも裏側でもOK!
5.クッキングペーパーを半分に折り、4.の表と裏を挟みます。
6.5.の上から、中温に温めたアイロンで数秒押さえ、ロウを溶かしてしみこませます。
ムラができたときは、いらない紙を上に乗せて、もう一度アイロンをかけると
無駄なロウが吸われて、キレイに仕上がります。
※この作業のとき、ヤケドをしないよう十分に注意しましょう。
7.冷めたら上部の中央にハトメで穴を開け、好きなヒモを通します。
このように、ちょっとした手間をかけたり、ディスプレイアイテムと組み合わせることで、撮った写真がさらにオシャレな印象にアレンジできます。ここで紹介したアレンジ方法をヒントに、自分らしさを大切にしながら、ディスプレイしてみましょう!
【執筆者 コムロミホ】
文化服装学院でファッションを学び、ファッションの道へ。
撮影現場でカメラに触れるうちにフォトグラファーを志した、自称「機材マニア」な写真家。
雑誌や広告等で撮影をする一方、ライフワークでは海外、国内でスナップを撮り続けている。
写真にまつわるワークショップ講師なども務めており、多彩な才能を発揮している。