写真やフォトブックに関するインタビュー
写真やフォトブックに関するインタビュー
フェイスブックで素敵な写真に「いいね」を押したり、インスタグラムでお気に入りの写真を見つけたり――皆さんの中にも、SNSを写真作品ギャラリーとして使用している方がいるのではないでしょうか。今回お話を伺った川原茉林さんは、インスタグラムに写真を投稿しているうちに、カメラマンとしての仕事が舞い込むようになったという経歴の持ち主。
今回は、今までに投稿した中でも、とくに人気だったというお写真をご紹介いただきました。
元々は、写真好きであるお兄さんの影響で、カメラに夢中になったという川原さん。インスタグラムに投稿するようになったのもまた、お兄さんの影響だったようです。
「インスタグラムを始めたのも、兄に勧められたのがきっかけです。初めはプライベートな写真をアップしていましたが、段々と作品として写真を載せるようになりました。ちゃんと投稿し始めたのは、2015年春ぐらいですね。
作品としての写真をアップするようになると、外国の方からのコメントが増えてきたんです。インスタグラムは写真が中心なので、他のSNSよりも言葉がわからなくても通じ合えるのだと思っています。
本格的に作品を投稿するようになってからちょうど半年ぐらい経った頃に、インスタグラムの方から『おすすめユーザー』に選んでいただきました。そのときにフォロワーがグンと増えて、今に至っています。」
「おすすめユーザー」に選ばれて以降、「いいね!」やコメントを貰える機会がさらに増えたという川原さん。では、中でも高評価を得やすい写真とは、一体どんなものなのでしょう?
「実は……よくわからないんです。ただ私は人を撮るのが好きで、人物と風景の写真をよく載せていますが、それよりもお花など“フワッと”している抽象的な写真の方が『いいね!』が付きやすい気がします。タグを変えているわけではないんですけど。」
こちらが、今までに一番「いいね!」がついたという写真。確かに“フワッと”感が前面に出ており、心暖まる印象を受けます。では川原さんご自身は、どんな写真に対して「いいね!」と思うのでしょうか?
「撮影時に自分が楽しんでいると、写真にもそれが反映されてすごく良かったりします。写真に限らず『この作品は、楽しみながら作ったんだろうな』というものに出会えると、いいなって思います。」
川原さんの作品に野外で撮影されたものが多いのは「そのほうが楽しいから。好きだから」。その気持ちが写真を通して伝わるからこそ、世界中から「いいね!」を集められているのかも知れません。
「私は、自然光でなければあまり撮れないんです。光を作り込むと格好いい写真になりますが、不自然さが生まれちゃう気がして……。外で自然光で写真を撮るのが好きなんです。」
こちらは、自然光の下での多重露光写真。今ではアプリを使ってもできますが、川原さんはフィルムに2回焼き付けたものを現像しています。
「インスタグラムに写真をアップするときには、ギャラリーがなるべく綺麗に見えるように写真をアップする順番を考えています。写真が現像から上がってもすぐにはアップせず、ある程度ストックをためてから……というケースが多いです。
パッと見た時に一番印象付くのは『色』なので、大体は写真の色でアップする順番を決めています。あとはモデルさんが一緒とか、雰囲気で合わせたりとか…。
ギャラリーに載せる写真は、自分の心が動いたもの、気に入ったもの。『いいね!』の数とかは考えずに、そこは単純に自分が好きな写真を選んでいます。それに共感してくれる人がいてくれるとやっぱり嬉しくなりますし、コメントも励みになっています。」
フワッとしたテーマ選び、ギャラリーへの写真の載せ方……「いいね!」をたくさん貰うためには、このあたりがポイントになりそう。しかし川原さんのお話を聞いていると、本当に大切なことは「いいね!」に囚われ過ぎずに、ノビノビと写真を撮ることのような気がしてきます。「写真って楽しい!」、そんな気持ちが伝わる1枚を撮れれば、「いいね!」は自然とついてくるのかも……?
【 執筆者 川原茉林(かわはら まりん) 】
1989年生まれ、埼玉県出身。
2014年11月、自身の25歳の誕生日にオールドレンズをもらった頃から写真を撮り始める。
中判フィルムカメラを中心に撮影。
インスタグラムは約5万人のフォロワーを持つ。