Room5656 第一期生卒業展「シャボン展~写本~」は、目黒にある築50年の一軒家を改修したギャラリー「やさしい予感」で開催されました。ギャラリーに入るとまず最初にMyBookでつくった18冊の「写本」と額装された展示作品が来場者を出迎えてくれました。
展示作品は、小全紙サイズの額縁を縦位置で展示することだけ揃え、その中の写真のサイズや点数、紙の種類は個人で決めたそうです。写本を見ながら展示作品を鑑賞する方がたくさんいました。
2階に上がるとラグマットとちゃぶ台が。ここにも1階と同じ18冊の写本が置いてあり、来場者はちゃぶ台を囲みのんびりごろごろしながら写本をじっくり楽しめるスペースが用意されていました。
来場者の方からは
「1冊1冊、個性が出ていてとても面白かったです。」
「かわいいお話から素敵な作品まで、じっくり楽しませていただきました。写真集のようなものが個人でもつくれるんですね。今度、自分もつくってみたくなりました。」
「くつろげる空間で、ついのんびり作品を楽しんでしまいました。」
という声も聞くことができました。
1回では18冊すべてを読み終えることができなくて、何回も足を運んでくれた方もいたようです。
展示以外にも、記念撮影用のフォトスペース、自己紹介スペース、メッセージポストなど工夫がいっぱい。「来ていただいた方に楽しんでほしい」という心遣いが随所に見ることができる写真展でした。
生徒さんにMyBookで「写本」をつくり、展示した感想を伺いました。
「高級感のある装丁で、自分の写真が本当に1冊の “作品” になったことに感動を覚えました。クオリティが高く、自分でつくったとは思えないような仕上がりに大変満足しています。本当に “夢を見させてくれるMyBook” です!」
「以前も旅行記や、友人への贈答用などで、MyBookをつくったことがありましたが、作品づくりは今回が初めて。ルーラーやページのコピーなど、初めて知った機能もたくさんありました。今回は1月より新しくなった「ラミ光沢」と「ラミつや消し」の2種類で「写本」をつくりましたが、どちらも本屋さんで売っている写真集のような高級感で大変気に入っています。」
「展示している間、たくさんの人に手にとっていただきました。しっかりとした製本だったので、最初の状態を最後まで維持できてよかったです」
「使いたい写真をフォルダからMyBookEditorへドラッグするだけで直感的に使えて、簡単に思い通りのものがつくれました。」
「とても使いやすかったです。特に、写真のレイアウト位置が決まっている『ボックス機能』には、助けられました。ボックス機能は写真をドラッグして当てはめるだけで写真のレイアウト位置を決めてくれる機能なので、短時間でつくることができました。また、自分では思いつかないレイアウトも用意されていたので、そのお陰で表現が膨らんだ部分もありました。」
「ページの入れ替えがドラッグするだけで簡単にできたり、ボックス機能を使って写真を同一の大きさに配置できたり、とても使いやすかったです。」
「自分のパソコンにあるお気に入りのフォントが使えたので、かわいいフォントで文章を入れることができました!」
山本まりこさんに「写本」をつくった経緯を伺いました。
「前から写真とイラストを融合させた作品をつくりたいと考えていたら、偶然にもRoom5656の生徒たちがMyBookを使った展示をするということになり、これはよいきっかけだと思い私もつくることにしました。実は、5年くらい前に自分でイラストを描いてつくったことがあるんです。だけど、自分の絵が下手すぎて…(笑) 才能がある人に頼んだ方がいいと思い、今回はイラストレーターのウエノエリカさんにイラストを描いていただきました。」
「ウエノさんには “プージーは二頭身で黄色い帽子を被った三つ編みの女の子” とだけプージーのイメージをお伝えして、書いた物語と大量の写真をお渡ししました。写真のチョイスや細かい部分はすべておまかせで描いていただきました。ウエノさんに描いていただいた作品は想像以上に素敵で、ウエノさんのイラストを見てエピソードを加えたりして私の「写本」はできあがりました。」
「共同作業で作品をつくることは初めての経験でしたが、お互いのよい部分が相乗効果になり、よりよい作品ができたと思います。」
生徒さんにシャボン展をふり返った感想をお聞きしました。
「初めてのことだらけで戸惑いや不安もありましたが、シャボン展が終わって感じたのは“楽しかった”の一言です。期間中は本当に幸せでした。人生の中で、新しいことに挑戦することが少なくなってきましたが、やればできると、新しいことに挑戦する勇気をもらったように思います。」
「長いようであっという間の5日間。在廊してみて、自分の作品を鑑賞する方の反応を間近で見られる機会は本当に貴重な経験だと感じました。大変なことや悩んだことも多かったのですが、それをみんなで乗り越えて無事に開催できたことに心から満足しています。関わった皆様、支えてくださった皆様には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。」
最後に山本まりこさんにお話を伺いました。
「シャボン展の期間中、私も何度も足を運びました。生徒たちが自分の作品について友だちや家族に説明しているキラキラした顔を見られて本当にうれしかったです。Room 5656は写真展を最終目標に掲げた教室です。最終目標がないと頑張れません。自分の好きなものがわからないと、自分の写真は撮れません。展示は自分を見つめ直すよい機会です。18人揃って、よくここまでできたと思います。この経験は絶対、次に生きてくると思います。私も生徒たちと一緒に学べたことがたくさんありました。」
山本まりこ:理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持ってひとり旅に出発し、そのままフォトグラファーに転身。風通しがいいという意味を持つ「airy(エアリー)」をコンセプトに、空間を意識した写真を撮り続けている。雑誌・広告撮影、旅エッセイ執筆、講演、フォトセミナー講師など活動は多岐。
MyBookページ:「一旅一マイブック」をつくる理由
公式ウェブサイト:http://marikoyamamoto.com/ Facebookページ:写真家 山本まりこ