デジカメで上手に写真を撮影するテクニック
デジカメで上手に写真を撮影するテクニック
緑鮮やかな森の木々の表現も素晴らしいですが、今回の注目ポイントは白く写った川面。なぜこのように、人の目で見える風景とは異なった印象の写真が撮影できるのでしょうか?
この写真では、清流がまるで白糸のように白く美しく表現されています。スローシャッターで撮影することで、岩場を流れる時に波立った水が、白くブレ、筋のように写ります。
動き、流れていく様子をスローシャッターで表現した写真といえば、今回のような水の写真と夜景が代表的。車のライトが線状になった写真は、水を白い糸のように写すのと同じ方法で撮影されています。
シャッタースピードの長さや、水の流れの速さによっても写り方は変化します。何枚かシャッタースピードを変えながら撮影し、自分のイメージに合う設定を探しましょう。
昼間の明るい時間に、こういった表現で撮影するときは、感度を低くして、絞りを思い切り絞ることで、シャッタースピードを遅くします。
今回の川面の写真だと、感度をISO100にして、絞りを16まで絞ることで、シャッタースピードを遅くしています。20秒という長い時間露出していますが、明るい日中ですと、どんなに感度を下げても絞っても、そこまで遅いシャッタースピードにならない場合があります。
シャッタースピードが遅くならないときは、NDフィルターという、サングラスのようなフィルターをレンズに装着しましょう。
ND2というタイプのフィルターをつけると、レンズを通してカメラに入る光が1/2になります。例えばフィルターをつけない状態で4秒だったシャッタースピードが、同じ感度と絞りで8秒にまで遅くできます。同様にND4だと15秒、ND8だと30秒というように遅くすることができます。
スローシャッターでの撮影ですから、三脚はもちろん必須!
撮影時にブレたり、バランスを崩して倒れたりしないように、三脚の足を、しっかりと安定した場所に置くよう、気をつけましょう。
撮影の注意点としては、白く写っている水の部分が、真っ白な状態(露出オーバー)にならないように気をつけましょう。
明るく描写しすぎると、ただの素抜けた真っ白な写真になってしまい、水が流れる柔らかさがなくなってしまいます。白の中にも白の強弱や陰影のグラデーションを持たせるように気をつけましょう。
緑を色鮮やかに表現したい時には、グリーンエンハンサーという、緑色を強調してくれるフィルターも活用すると良いでしょう。
【執筆者 川上博司(かわかみ ひろし)】