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デジカメで上手に写真を撮影するテクニック

写真撮影のコツ
~「祭り写真」の撮り方~

阿蘇の火祭り

お祭りは参加しても楽しいですが、被写体としても魅力があり、
そしてなかなか難しい被写体でもあります。

今回は、お祭り撮影のテクニックや現場での注意ポイントをご紹介します。

スローシンクロで明るさのバランスを整え、動きを表現する
<阿蘇の火祭り>

阿蘇の火祭り
©Kazutoshi/pashadelic 1.5秒 焦点距離50.0 ISO400 阿蘇の火祭り




夜のお祭りなど、暗い場所で撮影する場合、コンパクトカメラなどと同じようにカメラまかせでフラッシュを光らせて撮影すると、光の当たったところだけが妙に明るく、その周りは真っ暗というような写真になってしまいます。

かといって、フラッシュを光らせないで撮影しようとすると、明かりが弱いため、シャッタースピードが遅くなってしまい、ブレてしまったり、光が当たっていない部分は暗く写ってしまったりします。

そこで、ゆっくりしたシャッタースピードで撮影しながらも、同時にフラッシュを光らせることで、暗い部分を明るくして、画面全体の光のバランスを整えて撮影する方法がスローシンクロです。

この写真は、阿蘇の火祭りのワンシーンを撮影したものです。スローシンクロで炎の動きを印象的に捉え、さらにフラッシュの光で背景の建物を明るくしています。

神輿や踊りを撮る<品川神社例大祭>

品川神社例大祭
©Hiroshi Kawakami 1/50 f4.0 ISO3200 品川神社例大祭




神輿担ぎや踊りなど、動きのある被写体は、まわりの暗さに合わせたスローなシャッタースピードで撮影するとブレてしまいます。
ブレることで動きや躍動感は表現できますが、すべてがブレてしまうと何が写っているのかよくわからない写真になってしまう場合もあります。

そんな時も、スローシンクロを使いましょう。フラッシュの瞬間的な光を被写体に当てることで、フラッシュが当たった瞬間に全体の動きをしっかり止め、さらにスローシャッターによる適度なブレで、動きを表現するという、一粒で二度おいしい撮影テクニックです。

スローシンクロには、シャッターを切った瞬間にフラッシュが光る先幕(さきまく)シンクロという設定と、シャッターが閉じる直前にフラッシュが光る設定の後幕(あとまく)シンクロという設定があります。
移動する軌跡が残ったような印象の写真を撮る場合は、動きの軌跡の最後にフラッシュで被写体をしっかり止めることができる後幕シンクロの設定にすると良いでしょう。カメラによっては、後幕シンクロができない場合がありますので、設定方法はお使いのカメラの説明書をご覧ください。

望遠と広角の効果を意識して使い分けよう

品川神社例大祭
©Hiroshi Kawakami 1/25 f5.6 ISO800 品川神社例大祭




広角レンズで撮影する場合、人やお神輿はレンズに近ければ近いほど大きく、レンズから離れると小さく写るので、より迫力のある写真が撮影できます。かといって、あまり近づきすぎると神輿の行列に巻き込まれてケガをしたり、お祭りの参加者に迷惑をかけたりする場合がありますから、撮影に夢中になりすぎて、まわりが見えなくならないように気をつけましょう。

品川神社例大祭
©Hiroshi Kawakami 1/40 f5.6 ISO3200 品川神社例大祭




行列のように奥行きが長い風景を撮る場合は、作例写真のように望遠レンズの被写界深度(ピントが合う範囲)の浅さと、圧縮効果(被写体の間が近く見える効果)を生かして撮影しましょう。
メインの被写体を決めてピントを合わせ、それ以外の部分を大きくぼかすことで、主役を引き立てるように撮影します。

撮影する高さを変えてみよう<鳥越祭>

人気のお祭りほど、なかなかいい撮影ポジションがとれなくて苦労するもの。
そんな時は、最前列ポジションではなく、逆に少し引いた位置や高い位置が狙い目です。

ただし、立ち入り禁止の場所などに無理やり入って撮るのはNG。
そこで便利なのが、脚立や折りたたみ式の踏み台です。高さを確保するだけでなく、イス代わりにもなりますから、長時間の待ち時間がある時にも重宝します。

また、混み合う場所で三脚を使うのは避けましょう。
一脚で補助的に上下のブレを抑えるか、手ぶれ補正機能を積極的に使うのがオススメです。

鳥越祭
©junichi_nagahama/ pashadelic  1/8秒 焦点距離95.0 f5.6 ISO12000 鳥越祭




また、低い位置にカメラを構えて空を背景にすることで、 その日の天候や大きな山車の迫力、踊りの動きを大きく表現するのも面白いでしょう。

シーンを欲張らないで、最高の一枚を狙う<おわら風の盆>

神輿や練り歩きがあるお祭りの場合は、事前に運行ルートやイベントがある場所を下調べして、いい撮影ポイントを早めに確保することが重要です。 行列を追い掛けて走ることも、その場その場の偶然を狙うのも良いですが、フォトジェニックなチャンスを確実に手に入れるには、主役の向きや背景まで考えて場所選びをしながら、先回りをして待ち構えることも重要です。

おわら風の盆
©tsutomu.n/ pashadelic  0.016秒 焦点距離70.0 f2.8 ISO10000 おわら風の盆




良い写真を撮ることも重要ですが、必ず主催者のルールや規制には従い、周囲の観客に迷惑をかけることなく最高の一枚を狙うように心がけましょう。

広い視野で被写体を探そう<御霊祭り>

祭りの被写体は、神輿や踊りなどのメインイベント以外にもたくさんあります。
たとえば、たくさん連なった提灯、祭りの明かりに照らされた鳥居、踊りの出番待ちをしている子どもたちの緊張気味な面持ちなど。ぜひ、広い視野を持って被写体を探してみてください。

御霊祭り
©tzk011/ pashadelic  1/3秒 焦点距離35.0 f10.0 ISO100 御霊祭り




秋は収穫を祝うまつりの季節です。皆さんの地元でも色々なお祭りが開催されると思いますので、今までの最高の一枚にトライしてみましょう!

【執筆者 川上博司(かわかみ ひろし)】
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