デジカメで上手に写真を撮影するテクニック
デジカメで上手に写真を撮影するテクニック
最近では、気にいった料理をスマホで撮影してネットにアップするといった行為がすっかり定着しました。
しかし、料理を撮影するというのは意外と難しいもので、ちゃんと撮れているのに
どこか美味しそうに見えないということがよくあります。
これはスマホカメラの性能に問題があるのでしょうか?
確かに、スマホカメラは本格的な一眼レフ等には及ばないかもしれません。しかし、その性能も日進月歩で進歩しており、今や平均的なカメラと比べても決して見劣りするものではないのです。したがって、料理の写真が美味しそうに見えないのであれば、それはカメラの性能よりも撮り方に問題がある可能性が高いと言えます。
まず、考えなければならないのは光の存在です。料理の写真は明るくないと美味しそうに見えません。料理自体ははっきりと写っていてもちょっと暗めの写真だとそれだけで新鮮さが失われているように見えるからです。
また、光が十分当たっていても被写体の正面に光があたる順光では写真にメリハリがなくなり、焦点がぼやけてしまいます。かといって、逆光だと料理に思いきり影が被ってしまうので論外です。
理想的なのは横かやや斜め前から光が当たる半逆光で、これならば、微妙に生じた影によって料理が立体的かつリアルに見えます。
料理を美味しそうに撮る方法として、光と同じくらい重要なのが角度とフレーミングです。
まず、料理をカメラに収める角度は45度前後が理想的だと言えます。それが真横や真上からだと平面的に見えてしまい、場合によっては料理だと認識すること自体が難しくなってしまいます。自分でいろいろ試して一番立体的に見える角度を探してみるとよいでしょう。
同時に、フレーミングについても考える必要があります。フレーミングとは写真をどの範囲まで撮影するかを決めることです。この工夫ひとつで随分と印象が変わってきます。基本的な考えとして、料理はなるべく大きく写すというのが鉄則です。余白多すぎると寂しく感じてしまうからです。トレイの端が少々見切れても気にせず、迫力のある写真を撮ることを心掛けましょう。
さらに、料理の皿が複数ある時は縦長で撮影するのが好ましいです。横一列にならべては、やはりメリハリがなくなってしまいます。その際、メインの料理を前に置き、サブの料理を背後に配置すれば、メイン料理の存在感が強調されるので、その料理をプッシュしたい時は非常に効果的です。
以上のことを頭に入れたならば、次は光の強さと色味を調整してみましょう。
本来、料理の写真は自然光の下で取るのがベストです。そうすることで柔らかな光が料理の自然な美しさを引き立ててくれます。照明を直接当てたのでは少々光が強すぎ、ぎらついた感じになるのです。とは言っても、外で撮影するのは難しい場合が多いので、日が差し込む窓際を利用すればいいでしょう。
それが無理な場合は映画撮影などで使用されるレフ板を、それもない時はノートでもハンカチでもとにかく平べったいものであれば代用品として使用することができますので、それらを使って光量を調整することができます。
残るは色味ですが、そもそも色味とは何かというと白を基調としてそこになんらかの色を帯びていることです。よく赤みがかったとか青味がかったとか言いますが、デジタルカメラの場合、ホワイトバランスという機能でそれを調整することができます。普通の撮影では白が基本ですが、料理の場合は少し赤みをさした方が美味しくみえる場合があるので、慣れない間は色々なパターンを試して見比べてみるのがよいでしょう。
料理写真にはいくつもの技法があり、それらを駆使することにより、実物よりも遥かに美味しそうな写真を撮ることができます。
逆に言えば、いくら性能の良いカメラと高級な料理を使っても撮り方がいい加減であれば、料理は決して輝いて見える事はないのです。しかも、料理を美味しく撮る方法として挙げられるのはこれだけではありません。他にも様々な工夫をすることで料理をさらに美味しくみせることは可能です。
例えば、飲み物を撮影する場合には、液体に光を通して透明感を出した方が美味しそうに見えます。また、箸で料理を摘まんでいるシーンなど、強調したい部分がある時には少々やりすぎかなと思うぐらいアップで撮った方が効果的です。さらに、料理そのものも肉汁が十分染み出るまで待つなどといった撮影するタイミングというものがあります。
意外と奥の深い料理の写真。自分なりの工夫を重ねることでカメラの腕を磨いてみてはいかがでしょうか。