通算13回目となる日本最大級の写真イベント。「御苗場」とは"自分の未来に苗を植える場所"。出展することそのものが価値となり、自信となり、夢を実現できる場所を創りたい。楽しむだけでもなく、競うものでもなく、夢へ挑戦した全ての写真ファンの勇気を称えたい。そんな思いから、ひとりひとりが輝く場所となることを目指しています。
御苗場vol.13関西(
主催:株式会社シー・エム・エス / 御苗場vol.13関西事務局)
開催日程:2013年9月20日(金)~9月23日(月・祝)
会場:京セラドーム大阪 スカイホール
http://www.onaeba.com/
大和田 良 Ryo Ohwada
1978年仙台市生まれ。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業、同大学院メディアアート専攻修了。
2005年スイスエリゼ美術館による「ReGeneration.50 Photographers of Tomorrow」に選出され以降国内外で作品を発表する。
著書に『prism』(青幻舎)、『ノーツ オン フォトグラフィー』(リブロアルテ)、『FORM』(深水社)、『伝わる、写真。』(マイナビ)等。2011年日本写真協会新人賞受賞。
http://www.ryoohwada.com
写真家の大和田良さんとつくるスペシャルなマイブック。
題して「夢のマイブック」!独創的なアイディアを広げていく中、高まる期待。「こんなのはできる?できない?」早くも試行錯誤!?そんなキックオフミーティングの様子をレポートしました!
7月18日の午後、大和田さんに広島にあるアスカネット本社(マイブック工場)までお越しいただきました。2日間で夢のマイブックの仕様を形作っていきます。
ミーティングルームでは、「“夢のマイブック”なので、夢を実現しよう!」と当社生産部門責任者の談話で始まりました。
まずは、事前に準備しておいた印刷サンプルを机の上に広げて、大和田さんの写真作品に合う印刷紙を一枚一枚選んでいきました。
写真作品の雰囲気と印刷紙の相性をじっくり考えて精査しているのです。印刷紙によって、写真作品の印象が変わるのですから、ここは真剣です!
たとえば紙の色。印刷紙にはたくさんの種類があって、白色でも生成りの白や青みがかった白などさまざま。色だけでなく、紙の厚みや肌触りなどの風合いも見て選んでいます。
紙と加工(ラミネートやニスなど)の組み合わせも、またしかり。「この写真作品には、つやつやのグロス加工か、落ち着いたマット加工か?」印刷サンプルを見比べて…もう、机の上は紙だらけです。
さて、まだまだ決めることはあります。装丁は?箱は?大きさはどんな感じにしよう?少しの加減や調節で出来栄えの印象が変わるので話はミリ単位で進みます。
それぞれが意見や発案を出し
盛りだくさんな内容で終わった1日目でした。
1日目に製本など様々な仕様を検討して、挑んだ2日目。当社生産スタッフが試作サンプルを抱え、遅れて到着!大和田さんの理想とする仕様をさっそく翌日には形にする生産スタッフ。試作段階で生産ラインがないため、試行錯誤しながら、すべて手作りであつらえました。こだわりの職人技が光ります。試作サンプルを前に、大和田さんも合点の様子。
おっと、この後も、まだまだ続きますが、ネタばらしになっちゃうので、この先は完成までのお楽しみです!
最新の印刷機を前に、説明する当社スタッフ。大和田さんは色の管理方法や印刷工程の経過について質問されていましたよ!
「箔押しや製本とかの工程を見ていると面白いです。」
「ひとつひとつの本が手作りに近い感覚で作られているのが、興味深い。」「大学で勉強したプロダクトデザインを思い出した。各工程で実験的な感じが伝わってきて面白い。」
一歩踏み込んだポイントに着目されていると思っていたら・・・ 実は学生時代、フォトブック工場でのアルバイト経験があるそう! 印刷や製本など、実際にすべての工程を体験された大和田さんならではの視点で見学されていました!
全体を眺めたとき、プロダクトとしての完成度が高まるものに
したい。でも、“スペシャル”なんだけど、ただ単純に大きいA3
のハードカバーの本は、やってることがいつもと変わらないから
なんか違う。ゴージャスすぎる感じもなんか違っていて…。
そのほか重要なのは、印刷紙に載せたときの黒色の締まり。
単に締まっていればいいというわけではなくて、
写真によって黒のしまりがどう見えるかを着目したい。
あとは、写真を紙に載せたときの雰囲気。
写真によって紙を分けることを前提で、進めたいと思っています。
立体の作品でシンプルなんだけど、いろんな見え方ができる。
そんなのが面白いと思っています。
― キックオフミーティングを終えて ―
大和田さんの夢のマイブックにかける作品づくりへの想いが詰まっていました。遊びごころもあって、佇まいの美しい、そんな作品になりそうな予感!
とはいえ、プロジェクトはまだ始まったばかり。完成までの道のりはまだまだ。アスカネットの技術を引っ提げて職人が試行錯誤して作り上げます!
当社にとって、初めての試みで、手探り状態で臨んだこの企画。「良いモノを作りたい!」みんなのそんな想いで進めていくうちに、まるで霧が晴れたように期待が高まり、クリエイティブで楽しい、まさに夢がふくらむ2日間でした。
夢のマイブック完成作品は9月中旬に公開予定です。
みなさん、お楽しみに!
出版社で写真集をつくるのとは、違う観点で作品づくりをしてみたい。「写真集」というよりは「プロダクト」として存在感の強いものを作りたい。
写真作品は本の中に入っているけど、ひとつのプロダクトとして、すごくいいモノを作りたいっていう想いがあります。
やっぱり、客観的に見て”すごいな” “作りたいな”と思えるモノを作りたい。
じゃないと、意味がないかな。
今、進めているモノは、誰もが予想できるものではなく、いろんな工夫やアイディアが詰まったもの。
写真をただ見せるだけではない、面白さがそこにあると思う。