ついに完成した「夢のマイブック」。大和田さんによりプロダクトの名称は「 WHITE BOX 」 と名付けられました。
みんなのアイデアと知恵と努力の詰まったブック。満を持してお披露目です。
「 WHITE BOX 」= PHOTOBOOK×7 + COVER + BOOKCASE
BOOK:MyBookART-180S 30P ( 外寸:186mm x 186mm / 内寸:180mm x 180mm )
COVER:ミュージアムボード ( 186mm x 186mm )
CASE:アクリル仕様 ( 外寸:86mm x194mmx190mm / 内寸:80mm x 188mmx 187mm )
どこから眺めても美しい佇まいの「 WHITE BOX 」。プロダクトポイントをご紹介します。
こだわりの職人技がキラリと光るフォトブックの仕様です。
360℃どこから見ても
美しい
アクリルケースにセットされた7冊のフォトブックとカバーの一体感。
見る者の角度や捉え方によって、色々な見え方ができます。透明なアクリルケースは光を受けると、接合部分が光って一層輝きます。
紙色の違いを楽しむ
ブックごとに異なる紙を使用しました。作品のもつ雰囲気に合わせた紙選びを行いました。同じホワイトなのに微妙に異なる色彩が、見る者の興味を惹きつけます。
上面から背面色から、または下から眺めて楽しい仕様です。
シンプルな装丁
ホワイトに身を包まれたフォトブック。
落ち着いたマット加工にパールホワイトの箔押しがさりげなく輝きます。光の当たり方、見る角度によって陰影の浮き上がり方が異なります。
表紙全体に施したマット加工の上からグロス加工のシールで背表紙をカバーリング。マット・グロスの加工切り替え部分の質感の違いがポイント。目で見て、手で触って、素材が違うことの面白さを感じることができます。加工の切り替え部分はできるだけフラットになるよう工夫を重ねました。
本文加工のこだわり
1冊ずつ異なる本文仕様の「WHITE BOX」。中でも「Banknotes」は特徴的。写真の作品タイトルを記載した左ページはマット加工で紙幣作品を載せた右ページはグロス加工。
同じページに、また1枚の紙の表裏で違う加工を施した。
「紙幣という紙で出来ている素材を紙でないもので閉じ込めるのが面白い」という発想から。
つやが出て、ガラス越しのように透けて見えることからグロス加工という方法を選んだ。
これも大和田さんのアイデア。
カバーは大和田さんの直筆サイン入り!
10タイプのカバー写真は大和田さんセレクトによるもの。どれも、お気に入りの、または思い入れのある作品です。
カバーの裏には大和田さんのプロフィール、そして直筆サインとエディションが入ります。
当社の東京青山ショールームにて、大和田さんに出来たばかりの「 WHIITE BOX」をご覧いただきました。
まずは手に取り、いろんな角度から眺める大和田さん。
さて、大和田さんの理想とするイメージを実現できたのでしょうか!?
01.完成品を初めて手にして
最初に目指してた一つのプロダクトとしての見え方が具現化した状態なので、「本当に完成した」という感慨が大きい。一目見て、ぎゅっと詰まった凝縮した感じがモノとして表れていて「成功したものになった」と感じた。
02.仕上がりについて
これまでに話したことが全部形になってる。イメージ通り!思っていた以上に良い作品になったと思う。イメージの中では分からなかった部分も新たな発見があったり…例えば、全部が並んで入っていると有機的な感じもするし、同時にアクリルの鋭くてソリッドなイメージもある。きらきら輝いたものになってる。
ここで白以外の色を使うと全然違うものになっていたと思う。今回、紙の白を活かした「ものづくり」ができたのは面白かった。シンプルな色だけでも、これだけ複雑な印象を与える作品に仕上がった。うん、やはり面白いプロダクトになったなと感じた。
03.イメージとの差について
予想以上に「面白い!」と感じたのは、いろんな角度から見ることができる作品になったということ。正面や斜めから見てももちろん面白いし、上や背面から見ると紙色の違いが見える。
普段、本というのは、まず背から見て、文字から中身を想像したりするけど、「 WHITEBOX 」は背面から見ると紙がすごく詰まっているイメージで、この中に写真が入っていることが想像できる。1冊ずつ紙の色も違うし・・・。色々な角度から見ても面白い本。そういう本は他にあまり無い。
自分自身も作ってみて初めて、そういう(いろいろな角度から見せて面白いという)見せ方があるんだと感じた。
04.オススメのビューポイントは?
斜め上からケースの角を中心に見たり、ケース背面の斜め45度上からでもいい。本文ページの紙が見える角度。
正面や背面からより圧倒的に斜めからの見え方が面白い。アクリルの繋がりや写りこみが見えたり、45度の上から見たときの情報…背表紙の情報、カバーの写真、本文の紙色の違いが全て見えてくる。そのあたりが一番面白いポイントではないかな。
普通は正面から表紙を見たり、背表紙を見るけど、これはプロダクトとして「面白いものを作ろう」というコンセプトのもと、その立体が全景として見えるポイントが面白いと思う。もちろん中の写真もちゃんと見てほしいけど。凝縮された一つの立体作品になったと思う。
「 WHITE BOX 」は、どんな角度から見ても美しいから、普通は背を正面に見せて収めたり飾ったりするけど、あえてカバーの面を正面に見せて飾っても良いね。
05.手しごとについて
やはり「職人が作ったもの」という感じがする。全部がミリ単位でちゃんと作られているのが分かるし、この「モノ」としての完成度は“僕のイメージ”というよりは“職人の手作業”であるところの結果がすごく大きい。
▲ 装丁のチェックを行うスタッフ小田。
1冊づつ念入りに。少しのズレも妥協しません。
夢のマイブック完成品を手にして思うこと
いつも生産しているマイブックとは異なる仕様のプロジェクトで、短期間のうちに様々な決め事を行いました。作品の仕様はもちろん、どういう手順で製作するかなど、本当に沢山の不安を抱えていました。そんな状況の中、社内にいる沢山のスタッフの惜しみない協力を得て、マイブックをベースに、想いを込めた特別な作品にすることができました。夢のマイブックプロジェクトを通して、大和田さんの『思いをかたちに』する一役を担えたのなら製作者として、これほど嬉しい事はありません。
苦労したことは?
まず、製本です。今まであまり経験(製作)した事のない表紙の装丁だったので用紙の厚みひとつとっても思い通りに仕上がらず、何度も資材選定と試作を繰り返しました。背表紙のサインを繋ぐのも相当な集中力が必要で、少しでもずれてしまうと全くサインに見えないといったこともあるほど。このプロジェクトの最も重要なポイントでした。
次に、箔押しです。タイトルの異なる7冊の作品を1セットにすることから、それぞれの箔押し位置の微妙な調整に苦労しました。データ上ではわからない、モノとして見たときに美しいと感じる見え方を求めて何度も修正を行いました。
そしてアクリルケース。短期間での仕様決定と試作品からサイズの割り出しを行い、必要なセット数を用意するのには本当に苦労しました。アクリルという素材の性質上、傷がつきやすいことから、取り扱いや保護をする方法なども考えさせられました。
また、作品を一つにまとめるためのケースこそが、プロダクトとして美しく見せる大きな要素になっている事に気付かされました。取出しやすさも大事なポイントだから、何度も出し入れを繰り返しましたね。ミリ単位で調整しましたよ。
―それぞれの立場で、熱い思いで取り組むスタッフ達でした。
キックオフミーティングを終えて、すぐに制作にとりかかったマイブックスタッフ。 実は・・・裏ではこんなことが!工場内で「夢のマイブック」制作に取り組んでいるスタッフ小田に密着しました。
ミーティング段階でのイメージ裏話
最初の打合せの中で大和田さんから仕様を伺ったときには、イメージできなくて正直「イマイチだろう」って思っていました。でも、作品が形になるにつれ徐々に「イケルじゃん」「かっこいいじゃん」と自然に感じている自分に気付かされました。今では「俺が作ったんだ」と胸を張って言えます!
完成度は?
大和田さんのイメージする美しさを求めて直前まで、改善できるところは行いました。いいモノを作りたいから、後悔したくないから、最後まで妥協せずに、取り組んだことで完成度の高いものになったと思います。
改めて気づかされたこと
画像のレイアウトは別の担当者が行いましたが、個人的には…出来たブックを見てマイブックには無い扉や奥付を差し込む事で作品としての見え方が異なることに改めて気付かされました。
工夫したこと
カバーは作品の顔となる役割のパーツ。こちらが提案した仕様が採用になり、表面・裏面ともにこだわりを持って製作しました。素材の風合いや、裏面のプロフィールなどコンセプトに沿う工夫を凝らした仕上がりになったと思います。
注意したことは?
作品のテーマに応じた印刷用紙の選定に関われた事が楽しかったです。一方、特別な仕様のため用紙と表面加工の組み合わせを考慮して工程を進めなければ、用紙のうねりや加工時の不良を発生させる原因となるのです。このタイミングがずれると仕上がりの善し悪しを大きく左右することになります。
▲ センターカバーを背表紙に巻き込んでいるスタッフ中原。
「背表紙のサインが中心に配置されるように細心の注意を払っているんです。サインがずれたら台無しですから。」
―まさに「手しごと」ですね。集中しています。
BOOK INFORMATION
「 WHITE BOX 」
¥70,000(税込)
購入方法:「御苗場vol.13関西」2013年9月22日(日)14:30~マイブックブースにて販売開始
お問い合わせ:https://www.mybook.co.jp/inquiry/( メールフォーム・WEB電話 )
※「御苗場vol.13関西」での10冊限定販売となります。ネットでの販売は受け付けておりません。ご了承下さい。
EVENT INFORMATION
大和田良トークショー ( 御苗場vol.13関西 )
時間:2013年9月22日(月)13:30~
会場:京セラドーム大阪 スカイホール メインステージにて
通算13回目となる日本最大級の写真イベント。「御苗場」とは"自分の未来に苗を植える場所"。出展することそのものが価値となり、自信となり、夢を実現できる場所を創りたい。楽しむだけでもなく、競うものでもなく、夢へ挑戦した全ての写真ファンの勇気を称えたい。そんな思いから、ひとりひとりが輝く場所となることを目指しています。
御苗場vol.13関西(
主催:株式会社シー・エム・エス / 御苗場vol.13関西事務局)
開催日程:2013年9月20日(金)~9月23日(月・祝)
会場:京セラドーム大阪 スカイホール
http://www.onaeba.com/
大和田 良 Ryo Ohwada
1978年仙台市生まれ。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業、同大学院メディアアート専攻修了。
2005年スイスエリゼ美術館による「ReGeneration.50 Photographers of Tomorrow」に選出され以降国内外で作品を発表する。
著書に『prism』(青幻舎)、『ノーツ オン フォトグラフィー』(リブロアルテ)、『FORM』(深水社)、『伝わる、写真。』(マイナビ)等。2011年日本写真協会新人賞受賞。
http://www.ryoohwada.com