デジカメ写真をダウンロード無料の専用ソフトを使用して、
「オリジナル写真集(フォトブック)」が、誰でも、1冊から、簡単に作成できるサービスです。
福田健太郎
Kentaro Fukuda
1973年、埼玉県川口市生まれ。幼少期から自然に魅かれ、自然、風景、人に出会いたく、18歳のときに写真家を志す。1994年、日本写真芸術専門学校卒業後、写真家 竹内敏信氏のアシスタントを経て、フリーランスの写真家として活動を開始。日本を主なフィールドに、「森は魚を育てる」をキーワードとした生命の姿を見つめ続けている。写真集に「泉の森」(風景写真出版)など、著書多数。
公益社団法人 日本写真家協会会員、公益社団法人 日本写真協会会員
公式サイト http://www.kentarofukuda.com/
日本の四季には折々の表情があります。この四季があることで必然的にストーリーができますから、もともと風景写真は写真集として1冊にまとめやすいですね。
また、最近は、デジタルカメラが主流になって撮影枚数は増えましたが、自分自身が撮った写真をしっかり見る機会を設けていない場合も多いようです。自分の写真の世界観や、写真の腕を向上させるためにも、定期的にきちんと自分の写真は紙に印刷して見た方がいい。写真集作りは、その機会としてとても便利です。
今回は60ページのMyBookを作りましたが、まずハードディスクの膨大なカットから200枚程度に 絞って、そこから組んでいきました。この過程でいろいろ見えてきますよ。たとえば、冬景色が少なければ「冬はどこにも撮りに行っていなかったんだな」だとか、フレーミングやピントなど、撮影テクニックが足りない部分にもあらためて気がつくと思います。
写真集作りと聞くとハードルが高く感じるかもしれませんが、そんなことはありません。何年も撮りためて大作を作るより、1年サイクルで「今年の成果」としてフォトブックにまとめるぐらいの気軽さでいいと思いますね。
MyBookの印刷品質は十分高いですね。全体的に「忠実」だという印象です。解像感が高く、精細な部分もよく出ています。なめらかな雲海の表現など階調再現もいいですし、飛びやすい部分も余すところなく印刷で表現されています。一般的な雑誌やフォトブックの印刷よりきれいですね。
また、色も忠実です。微妙な色合いも出ていますし、深みのある地味な色再現を目指しているところも再現できています。明るいシーンから暗いシーンまで希望通りに仕上がっていますね。ただし、商業印刷と違って試し刷りでの調整はない一発勝負ですから、パソコンのモニターをしっかり色合わせしておくことが必要ですね。
広がり感を誘いやすい、横位置の写真がメインとなる風景写真なら、フォトブックのサイズは横長のA4サイズ「200Y」ぐらいがちょうどいいですね。持ち運びやすいし、写真もある程度大きく見せることができるので満足感があります。ページ数は、少なすぎると物足りなさが出てしまいますが、逆に多すぎると見る方も作る方も大変です。ある程度絞り込んだり、何冊かに分けるのもいいでしょう。
実際にMyBookで写真集を作るときには、ソフト上でいきなり画像を配置しないで、まずは候補写真のインデックス印刷を作ってみることをおすすめします。これを1枚ずつ切り離して、まずは2枚で1組になるペアをどんどん作っていく。色味や、大小、被写体、トーン、向き、動きなどを意識します。この作業が写真の上達にもつながります。
ペアができたら、その順番を考えていきます。見ていて手が止まるような「おっ」と思わせるキメカットは連続させず、間を空けて配置します。強弱、緩急をつけるとよいでしょう。この感覚が難しければ、自分の好きな写真集を見直してみてください。気になる写真の前後を見直したり、その次の決めカットとの間にどういうものを組み合わせているかを見てみる。なぜこれを入れたんだろうと気になるようなカットの前後も探ってみたりすると楽しいですよ。
僕は日々、自然の伝達者として自然の姿を丹念に見つめていきたいと思って撮影しています。皆さんもそれぞれの世界観や撮影テーマをお持ちだと思いますが、写真集作りでそれがはっきり見えてくると思います。