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カメラマン、写真家として活躍し、子どもを持つお母さんでもある鈴木さや香さん。日々撮影した息子さんの写真で作るMyBookへの想い、そして形に残す意味を伺いました。
MyBook FLAT とは?
見開き部分が180°フルフラットに開く新しいタイプのフォトブックです。
写真家だって、ひとりのママです。作品と同じくらい子どもの成長記録を大事にしたい。
だからMyBookが好きです。息子のいとが生まれてから1歳くらいまでは、記念日や初めてできたことがいっぱいあったので、写真をたくさん撮ってフォトブックもこまめにまとめていました。
ですが、2歳になるとイヤイヤ期がはじまって、動くスピードも速くなり、彼の世界は広がって、ひとりでどんどん進んでしまい、私は後ろ姿を追うことが日常になってしまって可愛くまとめることが難くなりました。けれどもそういう時期にこそ成長の記録を残すことが大事なんじゃないかなと思い
後ろ姿や何かに夢中になっている姿、寝ている姿を意図的にセレクトして、2歳の成長をハードカバーで豪華な装丁のFLATで残すことにしました。出来上がったときに、宝物みたい、と思いました。
FLATは、パタンと180度で開くことができるので、ノド(本の綴じ部)を気にせず自分の好きな写真を見開きで大きく使えます。例えば牛乳飲んで「ぱぁ~」っと言うその笑顔より、一生懸命飲んで放心してひげをくっつけている姿のほうが2歳の今の息子らしいなと思って、「この写真は絶対に入れよう」と思いました。
一般的な無線綴じのフォトブックだと、ノドに近い部分では紙が丸くゆがむので、文字を入れるのは避けます。だけどフルフラットならノドを気にせず文字を配置できるので、ノド側に文字を配置したり、見開きにまたいで文字を入れたり。レイアウトを気にせず、文字が入れられるのも気に入っています。
それから子どもは自分の写真が大好き。私の息子も、自分が写っているフォトブックをよく見ています。FLATは厚紙で、パタンと開いてめくりやすく、子どもと一緒に見やすいのも嬉しいです。息子は今、電車が大好きなので、撮った写真でオリジナルの電車絵本を作ってあげたいなと思っています。
私の写真は、言葉と一体になってひとつにまとまります。だからブック製作は私にとって最高の表現方法です。子どもに対する「大好きだよ」とか「かわいいね」というポジティブな気持ちは、写真が表してくれます。むしろ、お母さんだから怒ったり、時には悲しくなったり不安になったりするネガティブな私の今の不安を隠さずにまとめるようにしています。
例えば、3歳になる前に作った成長記録は、私が、息子に対していつも怒っていて、「なんで私は息子にこんなに怒っているんだろうという…」という母としての申し訳なさや、嫌いで怒っているわけではないから安心してね、ということを言葉にして載せています。言葉はかっこつけないで、等身大の“私の気持ち”を出すように。また、長くいっぱい書いてしまうと、息子がすごく大きくならないと読めないので、なるべく小さいうちから読めるように、簡単な言葉と短い文章を意識しました。
想いを綴った息子の成長記録をフォトブックにしっかりまとめたい理由は、人生は何が起こるかわからないからです。災害とか事故とか、病気になるかもしれない。もし、私が急に写真が撮れなくなったり、言葉がしゃべれなくなったりした時、ママはどんな人だったか、息子のことをどのように愛していたのかを伝えたいんです。
>>実際の成長記録はこちら(別サイトへ遷移)
フォトブックは小さな単位で作るとまとめやすいです。例えば1日とか数時間だけとか。それが「春」とか「1年」という大きな単位でまとめようとすると、使いたい写真がいっぱいありすぎて大変です。
小さな日常のフォトブックをいくつか作っておくと、MYBOOKFLATのような立派なフォトブックを作る時に見返して、大きな単位をまとめる時に作りやすいです。
もしくはプリントを貼って、手書きで書き込んだ日々のノートを残すのもおすすめです。
毎日書くのは大変ですが、フォトブックにまとめるほどではない写真や、息子らしい写真を貼って、気持ちを走り書きしてかんたんにまとめます。そうすると、まとめる時のヒントが見つかります。
個人的に作品づくりのプロセスは、①調べて撮る、②セレクトしてフォトブックを作る、③見せびらかすという三段階です(笑)
実はこの、③見せびらかす は、とても大事で、自分が大切なものをみんなにも大切にしてほしいと伝えたいから、私は写真を撮っているんだということにつながります。私が撮った写真を誰かがフォトブックや展示で見たときに、自分のことのように思い、最終的に被写体を愛してくれるといいなとおもっています。まずは家族や友人など身近な人に。反応があると、フォトブックづくりが楽しくて止まりません(笑)
鈴木さや香
写真家 / 広告カメラマン。一児の母。東京造形大学建築造形学部デザイン学科卒業。映像制作会社でAD、APとして勤務。演出家葉方丹に師事。映像制作、編集を学び、その後写真家山岸伸に師事。現在、子どもを起用した広告写真を撮りながら、旅フォトエッセイなどを撮影執筆し活動中。写真と雑貨を愛する小さなお店Atelier Piccolo店主、写真と暮らし研究所代表。
鈴木さや香HP:http://suzukisayaka.pupu.jp/
Atelier Piccolo HP:https://www.info-atelierpiccolo.com
写真と暮らし研究所:https://shashintokurashi.com/
Instagram:sayakasuzuki_photo