写真に関する様々な調査・アンケート
写真に関する様々な調査・アンケート
私がアイスランドを訪れたのは、昨年の11月のことでした。目に映るもの全てが本当に綺麗で、何気ない景色までもが絶好の画になる。アイスランドは、風景写真家にとって、まさに夢の国と言える場所でした。
車で移動中の景色。思わず何度も車を止めて、撮影してしまいました。
池や湖が多いアイスランドでは、何気ないところでも息を呑む美しさがあります。「イイ!」と思ったら、迷わずシャッターを切りましょう。
撮りたい風景が尽きないアイスランドでは、時間がどれだけあっても足りません。迷っている人は、是非とも行くべき!必ずや後悔のない旅になるでしょう。
さて今回は、そんな中でも格別に素敵な風景、行くべき撮影場所のTop10をご紹介いたします。
首都・レイキャビクにある「Solfar (Sun Voyager) Sculpture(ソルファーの彫像)」。「Sun Voyager(サン・ボヤージャー)」の名の通り、太陽に向かっての喜ばしい船出をイメージした彫像です。ジョン・アーマーソン氏によって作られたもので、希望の夢、発展と自由の意味が込められています。大きさは5mほどにもなり、写真から想像するよりも大きめ。夕景や朝景と合わせて撮るのが定番です。基本的には人はほとんどいませんが、時々釣りをしている人が周りにいるので、フレーム内に入らないように注意しましょう。
観光スポットとしてはそこまで有名ではありませんが、風景写真家の間ではおなじみの海岸「Vesturhorn Mountain(ベスターホーン・マウンテン)」。干潮時に来る遠浅のおかげで、綺麗なリフレクションが見えます。冬の時期には太陽が後ろから上がってくるために山頂光(太陽の光が山の頂に当たる)が見られ、この山頂光と一緒に撮るのが定番です。私が撮影した時は残念ながら曇りが続きましたが、その雲がまた興味深い景色にしてくれました。
海外の写真家の間で、絶大な人気を誇る滝「Bruarfoss(ブルアフォス)」。アイスランドには無数の滝がありますが、その中でもとくに特徴的な滝と言えるでしょう。落差はたった2mほどなので、それほどの迫力はナシ。その代わりに、その形状と青い水に魅了される人は後を絶ちません。この滝の情報は観光ガイド等には一切載っておらず、完全に写真家の口コミで広まったもの。場所もわかりづらいところですが、車を止めてから徒歩10分ほどで行くことができます。ただし古い橋の上から撮るために、他の方がいるときは要注意。こちらも冬の夕景が絶好の撮影タイミングとなります。
Photo by Kenji Yamamura
ここVik(ヴィーク)村の周辺は、シースケープが好きな写真家にとっては、たまらないところでしょう。アイスランドの砂浜は溶岩からできているために黒色で、「ブラックサンドビーチ」と呼ばれます。一方で潮が引いた時に残る白い泡が対比となり、不思議な感覚を覚えます。この場所は干潮時で潮が低い時には、奇岩に近づくことができます。ただし、波がかなり強く、荒いので無理は禁物。釣り用のウェイダー(ゴム製の防水ブーツ)などを持参するととても便利です。撮影タイミングとしては、日の出と日の入りがオススメです。
このHvitserkur (クヴィートセルクール)は、アイスランドでもっとも特徴的な奇岩。街を襲いにきたトロールが、太陽の光を浴びて固まってしまった。龍が酒を呑んで、眠っている間に岩になってしまった…などなど、高さ15mのこの奇岩には、様々な説が残されています。あなたにはこの岩がどんな風に見えるでしょうか? ここは干潮時には水鏡となり、冬場では日の出をこの写真のように捉えることができます。夕景も綺麗で、夜にはオーロラが見えるオールマイティーな撮影場所…ですが、とにかく交通面での利便性が悪いという、大きな問題も。周りには宿泊施設も売店も、もちろんガソリンスタンドもありません。行く際は、準備万全にしておかないと、ガス欠で大変なことになってしまいます。
滝の真裏から夕景を撮影できるユニークな場所「Seljalandsfoss(セリャラントスフォス)」。日の入りそのものをフレーム内に撮れるのは、夏の時期。冬の時期は太陽そのものを撮ることはできません(フルサイズ機でニコンの14-24mmの超広角レンズでも、1枚に全てを収めることは不可能)が夕景、夕焼けを狙うことができます。縦構図ですと、若干上が切れることになるので覚えておきましょう。この写真は、横構図の写真を縦に向かってパノラマとして撮り、のちにLigthroom で繋げております。観光地としても非常に有名で、夕方になるとライトアップがあたるので、できればそれまでには撮影を切り上げたいところ。苔が非常に滑りやすくなっているので、くれぐれも気をつけて下さい。滑って水の中に落ちる危険性があります。
滝とオーロラを撮るのであれば、ここ「Gothafoss(ゴーザフォス)」がオススメ。場所柄広く撮れる上に、北側に行ったり、南側に行ったりと、オーロラの動きに合わせて移動することもできます。また、朝焼け、夕焼け狙いもできる場所なので、1日中いるのも良いでしょう。冬場になると水しぶきが岩の上で凍るために、かなり滑ります。念のためにアイゼン(靴底に付ける滑り止めの金具)を持っていくと、安心して撮影をすることができるはずです。
ここから1位までは、アイスランドを代表する、絶対に行っておくべきユニークな撮影場所。
さて、どんな景色が待っているのでしょうか?
Photo by Kenji Yamamura
黒色の砂浜と透明な流氷。そして、ピンクに染まっていく空。ここはもう、綺麗なんてもんじゃありません。撮影スポットとしてはもちろん、観光としても見逃してはいけないところです。ただし、撮影時には相当の注意が必要。荒い波が押し寄せて、2m以上もの大きさの流氷を動かしてきます。写真に夢中になっていると、背後から流氷がぶつかって、カメラが海の中に落ちてしまうなんてことも…。ぜひ、まわりには気をつけながら撮影をしてください。年中を通して撮影可能ですが、日の入りそのものを撮りたい方は冬場を狙いましょう。
ダントツ人気の滝と山が一緒に撮れる撮影場所「Kirkjufell foss(キルキュフェットル)」。一度この景色を見たら、一生忘れることはできないでしょう。私もこの景色を見たくて、アイスランドに行ったと言っても過言ではありません。こちらは観光地になっているために、駐車場完備。また、人が歩きやすくなるように舗装もされております。冬場はオーロラを撮って、そのまま朝焼けを待つのもオススメです。ただしオーロラが発生するとバスに乗った無数の観光客がやってくるので、早めに場所を確保しておくと良いでしょう。また私が行った時、駐車場に止めた車内で寝て、朝車から降りようとしたら、駐車場にかなり水が溜まっていました。満潮時には、海水とともに駐車場が冠水するようなので、車中泊をする方は注意が必要です。
Photo by Kenji Yamamura
第1位は、なんといっても氷の洞窟「Jokulsarlon Ice Cave(ヨークルスアゥルロゥン・氷の洞窟)」。この体験は、もはや言葉ではうまく表現できません。とにかく、とにかく美しい。生涯忘れることができない景色でした。しかしこちらは個人で入ることができないので、ツアーなどを通す必要があります。また、3月から10月までは氷の洞窟ツアーは行っておらず、冬場のみとなります。毎年毎年、氷の洞窟の場所が変わっていくので、洞窟の形はその年によって変わってきます。ちなみに写真は、記念に自撮りをしてみたものです。
いかがでしたでしょうか?これだけの景色が広がるアイスランド。風景写真がお好きなら、行ってみたくてウズウズしてしまいませんか?振り返っているうちに、私もまた行きたくなってしまいました。笑
さて順番は逆になりますが、次回はアイスランドとはどんな国?アクセス、ホテル、そして、何を持っていけば良いの?などとともに、その他のおまけ写真などをまじえてお伝えします!
【執筆者 山村健児(やまむら けんじ)】