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写真やフォトブックに関するインタビュー

伴田良輔の猫写真の撮り方~猫は偶然を呼ぶ天才~

伴田良輔の猫写真の撮り方~猫は偶然を呼ぶ天才~

先日、牧場に住む猫たちと遊びました。小さいときに保護された猫たちですが、自然の中で、みんなのびのびと育っていて実にキュート。広い牧場の中を自由に駆け回って虫を追いかけたりして遊んでいます。牧場スタッフからも可愛がられているのがよくわかる、いい顔をしています。

伴田良輔の猫写真の撮り方~猫は偶然を呼ぶ天才~




前回の記事では出会い頭の猫についてお話しましたが、猫としばらく遊んでいると、ふいに訪れる面白い瞬間がありますよね。猫ってそこにいたかと思うと、ふいにどこかに行ってしまいます。猫を追いかけていくと、とんでもない場所にいたりしますよね。そんな瞬間を撮ったのがこの写真。

伴田良輔の猫写真の撮り方~猫は偶然を呼ぶ天才~




茂みに隠れた猫が顔と足だけ出していたんですが、まるで巨大アフロヘアのように見えて、笑いました。こんなことは計算してやっても面白くなりません。偶然だから笑える。猫は偶然を呼ぶ天才です。

いつどこにシャッターチャンスがあるかわかりません。常にカメラを持ち歩き、ここぞという瞬間には、迷わずシャッターを押すようにしましょう。良い構図は……など考えていると、猫はすぐ気まぐれにどこかへ行ってしまいます。

伴田良輔の猫写真の撮り方~猫は偶然を呼ぶ天才~




この牧場には、見事なハート形の模様のある猫がいます。それが、記事一番上の写真。実はこの猫、頭の白黒もよくみるとハートなんです。からだに2カ所もハートがあるって奇蹟的。これも自然の摂理だからこその面白さです。偶然は傑作の母ですね。

伴田良輔の猫写真の撮り方~猫は偶然を呼ぶ天才~




さらに、牧場から出て歩いていくと、坂道でこんな看板に遭遇。「猫の親子横断いたします」。遠くからでも猫のシルエットは猫だとわかるのが不思議です。ん?よく見るとこの猫、どこかちょっと馬みたいな歩き方をしているような……。

こんなかわいらしい看板が発見できるのも、常に何かおもしろい被写体がないかキョロキョロしながら歩いているから。 猫との出会い、良い被写体との出会いは、ただ歩いていたら気がつかない、低い位置の隙間や頭の上を見上げた看板などにもあるかもしれません。ぜひ、たまには目線の位置を変えて、何かないか探してみてくださいね。



【執筆者 伴田良輔(はんだ りょうすけ)】

伴田良輔(はんだ りょうすけ)

作家、写真家、版画家。京都生まれ。著書に『アリスのお茶会パズル』(青土社)、『mamma』(谷川俊太郎との共著/徳間書店)、翻訳書に『ダーシェンカ 愛蔵版』(青土社)などがある。
段ボールで作ったキャットハウスの写真絵本『The kittens of Boxville』が2009年に米国で出版され、世界でも例のない“猫家建築家”として話題になった。
無類の猫好きが高じて、雑誌『猫びより』では17年にわたって猫のいる旅館を訪れる写真紀行を連載中。
『猫のいる宿』『ようこそ女将猫』(辰巳出版)などの“宿猫シリーズ”の単行本がある。

伴田良輔の画像
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