デジカメで上手に写真を撮影するテクニック
デジカメで上手に写真を撮影するテクニック
運動会は、お子さんの晴れ舞台。動きの激しい運動会の写真は、
とにかくチャンスを逃さず撮影することが重要です。
一瞬のチャンスを逃さず、がんばっているお子さんを
上手に撮影するためのポイントを解説します。
「運動会のために用意した本格的なカメラで撮った写真よりも、いつものスマートフォンで撮った写真のほうが、意外とよく撮れていた」……そんな経験はありませんか? 運動会の写真を撮る上で大切なことは慣れたカメラを使うことです。
「お子さんの運動会をきっかけに本格的なカメラを手に入れたい!」と考えている方は、少なくとも運動会の1ヶ月前には購入して、カメラに慣れる練習をしておきましょう。
一眼レフでもミラーレスでも、レンズ交換ができるカメラなら、広角から望遠までレンズ交換をしないで撮影できる、倍率の高いズームレンズを使うことが理想です(例:18mm~135mmなど)。
もし、ダブルズームキットのように、標準ズームと望遠ズームが別々になっているカメラなら、途中で何度もレンズを交換するよりも、できるだけ競技ごとにひとつのレンズを集中して使うほうがよいでしょう。競技中に慌ててレンズ交換すると、肝心なチャンスを逃してしまったり、カメラの中に砂埃が入ってしまったりすることもあるので気をつけてください。
望遠ズームレンズをメインに使う場合は、スマートフォンのカメラを、標準ズームレンズ代わりに準備しておきましょう。
望遠レンズはブレやすいので、カメラの持ち方にも注意しましょう。
カメラを持つときは、必要以上に力を入れてワキを強く締めたりせず、できるだけ余計な力を入れすぎないよう、楽な姿勢とバランス良く持つことを心がけると、シャッターを押す時のブレが少なくなります。
左の手のひらの上に、カメラとレンズを載せるようにすると、バランス良く持てます。
右手は、カメラを軽くにぎるように持って、シャッターボタンを押すことに集中しましょう。
レンズのズーム操作は、ズームを動かす部分を、親指と中指の指先で軽く持って操作します。
カメラにはさまざまな設定(モード)があります。設定(モード)を変えることで、撮りたいイメージや撮影場所などに適した写真を撮りやすくなります。
運動会では、連写できて、動いているお子さんにも連続でピント合わせをしてくれる、「スポーツモード」がおすすめです。機種によって異なりますが、一般的に設定(モード)は選択ダイヤルから変更することができます。
カメラに詳しい方なら「シャッタースピード優先モードでしょ!」と思われるかもしれませんが、ここではあえて「絞り優先モード」をおすすめします。絞りをF4や5.6など、お持ちのレンズの開放に近い小さな数字にすることで、できるだけ早いシャッタースピードで撮影することができます。
また、ISO感度を、晴れなら400、曇りなら800にしましょう。感度を高くするほど早いシャッタースピードで撮影できるので、走っているお子さんもブレないで撮影することができます。
ブレを防ぐためには、撮影中にお子さんを右に左に追いかけたり、ズームやカメラを動かし過ぎたりしないようにしましょう。「カメラが動く=ブレる」なのです。そこで重要になるのが、どこでカメラを構えるかという場所取りの問題です。
徒競走などは、スタートかゴールが正面で見える場所をおすすめします。
お子さんの走ってくる姿を、斜め正面くらいからとらえられる場所を意識してみてください。カメラを大きく動かさなくても画面の中にできるだけ長くお子さんをとらえられる状態がベストです。
スタート地点がよく見える場所は、お子さんがスタート前に緊張している姿も、一生懸命に走っている姿も両方撮影できるのでおすすめです。走っている途中からゴール地点をねらうよりもお子さんの勇姿を撮りやすいでしょう。
また、お子さんがカメラに近づいてくるような位置で撮影することで、レンズをズームさせなくても、お子さんが画面の中で自然に大きく写るようになります。
徒競走の撮影ポイント
①スタート地点に並んでいる姿をアップで撮影
②走り出す前に、お子さんの全身が映るくらい少し広めにズームを動かす
③走り出したらズームはせず、シャッターを押したままひたすら連写で撮影
ご自身のお子さんが走る前に、ほかのお子さんで、撮影の練習をして感覚をつかんでおきましょう。本番も落ち着いて撮影できるように練習しておくことで、確実に失敗を減らすことができます。
可能であれば、運動会本番の数日前に、公園などでも練習しておくとよいでしょう。プロが失敗しないのは、事前のリハーサルをしっかりするからなのです。
お子さんの走るコースの距離感や速さ、ダンスや体操の動きなど、
事前に大まかに知っておくことで、本番での撮影チャンスを逃さない、心の準備ができます。
お子さんの運動会の練習に負けないくらい、撮影の練習もしっかりしておきましょう!
また、徒競走とダンスや体操などで、撮影のベストポジションが異なる場合は、
学年が違うお子さんをお持ちのご家族などと分担して場所取りをするのがおすすめです。
それぞれのお子さんが出るタイミングで場所を交代することで、
それぞれのお子さんのベストショットを残すことができます。
「お子さんの勇姿をできるだけアップにして撮影したい!」……そう思っていても、使い慣れない望遠レンズで、動くお子さんの姿をアップでねらって撮影するのは意外と難しいもの。どこを撮っているのかわからず、肝心のお子さんを見失ってしまう可能性もあります。
そこで、お子さんが動いているときは、あまりアップにし過ぎないようにして、写真をあとから拡大(トリミング)するのもおすすめです。
自分のお子さんだけをアップにするよりも、周囲のお友達も2~3人入るよう、少し広めのサイズで撮影しておくほうが、運動会全体の雰囲気も伝わる写真になります。
トリミングで撮影後に拡大するために、LやMのできるだけ画素数の多い設定で撮影しておきましょう。1000万画素くらいあれば、A4サイズのプリントにも対応できますので、それよりも大きい画素数で撮影しておけば、大抵の大きさのプリントやパソコンやテレビでも楽しめます。
ただし、画素数が大きくなると、撮影できる枚数が少なくなります。記録用のカードは、8GBや16GBなどの、できるだけ容量の大きな新品のカードや、撮影データがほとんど入っていないカードを入れておくことをおすすめします。肝心な時に、撮影可能枚数がいっぱいになってしまい、泣く泣く撮影済みの写真を消すことにならないように準備しておきましょう。
また、カードだけでなく電池の充電もしっかりチェックしてください。フル充電した予備の電池を用意しておくことをおすすめします。お昼休憩が電池交換のタイミングに最適です。
ひとつ目の電池がまだ使える状態でも、早めに電池交換しておくことで、もしふたつ目の電池が切れてしまっても、ひとつ目の電池の残り分で撮影することができます。
特に、ミラーレスカメラは、液晶画面を常に使うため、一眼レフカメラよりも電池の消耗が早くなります。一眼レフからミラーレスに切り替えた方などは、特にいつもの感覚以上に早い電池消耗に注意が必要です。
ビデオ撮影も同時に行う時は、ビデオカメラを三脚に取り付けて、少し早めに録画スタートして、写真の撮影に集中できるように準備しておきましょう。まわりの雰囲気も分かるように、少し広めに撮影するのがおすすめです。
録画スタートの際には、必ず録画ランプや録画表示の赤丸を確認してください。意外とやってしまいがちなのが、録画スタートと停止が逆のタイミングになってしまう「逆スイッチ」。お子さんの勇姿を撮り逃さないためにも、録画のオンオフはしっかりと確認しておきましょう。
お子さんの走る姿を、背景を流れるように写す……そんな流し撮りのコツを伝授します。
撮影のポイントは、ちょっと広めにお子さんを横から画面の中で追いかけながら、走りに合わせてカメラを水平に動かしましょう。画面の中心など、画面上の同じ位置にお子さんをとらえることもポイントです。
お子さんが走ってくる前からカメラの画面上の同じ位置(たとえば画面の中心)にお子さんをとらえつつ、お子さんがその位置から外れないように、走る速さに合わせてカメラを水平に動かしながらシャッターを押しましょう。これも、ご自分のお子さんが走る前に、ほかのお子さんでも試し撮りをしてみるとよいかもしれません。
せっかくの運動会。グラウンド全体の雰囲気や、お昼ご飯の様子なども、いっぱい撮影してください。
最後に、お子さんを撮影する時には、できるだけお子さんの目線と同じ高さで撮影するとよいでしょう。そうすることで、お子さんが見ている風景を感じさせる写真を撮ることができます。ミラーレスカメラでしたら、液晶画面を動かして、カメラを胸元や腰のあたりに低く構えると撮影しやすくなります。
人混みの後ろから撮影する時や運動会全体の雰囲気を撮影したい時などは、逆にカメラを高く持ち上げ、液晶画面の向きを見やすい方向に変えて撮影するのがおすすめです。
コツを抑えて、お子さんががんばる姿をしっかり残しましょう!
【執筆者 川上博司(かわかみ ひろし)】
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