デジカメで上手に写真を撮影するテクニック
デジカメで上手に写真を撮影するテクニック
一眼レフの醍醐味はなんといってもレンズを自由に交換できることです。
そうすることによってデジカメでは不可能なさまざまな写真を撮ることができます。
では、具体的にどのレンズを使えば、どのような写真を撮ることができるのか?
その辺りを簡単に説明していきましょう。
一眼レフのレンズとして有名なのは望遠レンズと広角レンズです。このふたつにはそれぞれ相反する特徴があります。
望遠レンズはその名の通り、遠くのものをアップで撮影するためのレンズです。被写体に近づけない、あるいは人や動物を相手にカメラを意識しない自然な姿を撮りたいという時に力を発揮します。また、背景にぼかしを入れやすく被写体がくっきり浮かびあがるので、被写体に焦点を当てた写真を撮りたい場合に有効です。
それに対して、広角レンズは広い範囲を一度に撮影でき、奥行きを表現することを得意としているので、スケール感のある写真を撮りたい時には力を発揮するでしょう。
また、標準レンズもよく使われるレンズです。このレンズは肉眼で見た風景をほぼ忠実に再現しますので、自分の見たままの風景を撮りたい時はこちらのレンズを使うのがよいでしょう。
以上3つのレンズはある程度以上の大きさのものを撮影することに適していますが、路上の花や昆虫といった小さなものを撮ることに特化しているのがマイクロレンズです。高画質で非常に美しい写真を撮ることができます。
ただ、レンズは望遠、標準、広角といったふうに単純に分かれるものではなく、実際はもっと細かく分類されます。
例えば、広角の他に超広角レンズなどがありますが、これはレンズから光が焦点を結ぶ距離、いわゆる焦点距離によって決定されます。焦点距離が12mm以下なら超広角レンズ、18mmから30mmは広角レンズ、300mm以上になると超望遠レンズといった感じです。
その数値はレンズの正面か側面に記載されていますので焦点距離とその効果の関係を学び、撮影に適したレンズを選びましょう。ちなみに、広角レンズは初心者にとってはハードルが高いので、自信がなければ、最初は扱いやすい標準レンズか望遠レンズの中から選ぶのが無難です。
また、レンズには焦点距離をある程度自由に替えることができるズームレンズと焦点距離が固定されている単焦点レンズがあります。便利なのはもちろん前者の方ですが、後者もサイズがコンパクトで比較的安いというメリットがあるのです。
レンズにはそれぞれF値というものがあって、これは光をどの程度取り込めるかの値です。この値が小さい程、光を多く取り込めることを示していて、一般にF値の最高値が2.8以下のレンズは明るいレンズと呼ばれています。レンズが明るければ、シャッター速度を上げることができ、ブレのないきれいな写真が撮れますし、光を多く取り込むことで背景にぼかしをいれることも容易になります。
ところが、ズームレンズはレンズを何枚も重ねなければならないので明るいレンズを作りにくいのです。無理に作ろうと思えば、レンズを巨大化する必要があり、カメラの重量や価格が跳ね上がってしまいます。
そこで、さきほどの単焦点レンズの登場です。このレンズならば、安くてコンパクトなままで明るさを水準以上に保つことができます。ただ、単焦点レンズは被写体との距離に合わせて焦点距離を調整することができないので、こちらが移動することで被写体とのベストの間合いを見つけなければなりません。
したがって、撮影のシチュエーションによってレンズを使い分けることが重要になってきます。
以上、レンズの選び方をいくつか紹介しましたが、こればかりは実際に経験をしてみないと実感が伴わないものです。ただ、レンズによって世界は大きく変わることは覚えておいてください。写真というものは現実をそのまま写す道具だと思われがちですが、カメラマンの腕がよければそこに多くのファンタジーを映しだすことができます。その礎となるのがレンズなのです。
カメラを本格的に始めようとするのであれば、ぜひ、色々なレンズを使ってみてその違いを肌で感じてください。同じ場所、同じアングルの写真でも全く違う風景がそこに広がっていることが分かるはずです。その特性を把握できたならば、あなたもきっと今までとは違った素敵な写真を撮ることができるでしょう。
ただ、あらゆるレンズを全部揃えるのはかなりの費用がかかるのでまずは扱いやすいものからひとつずつ試してみて、その使いどころをマスターしていくことをおすすめします。