デジカメで上手に写真を撮影するテクニック
デジカメで上手に写真を撮影するテクニック
ポートレイトとはひとことで言えば人物写真のことです。
カメラ撮影の中でも基本中の基本だと言えるでしょう。
しかし、印象的な人物写真を撮るのは意外と難しいものです。
そして、本当に素晴らしいポートレイトをものにしようとするならば、
一眼レフが必要となってきます。
一眼レフの最大の特徴は用途に応じて自由にレンズを交換できることにあります。その種類は様々ですが、大別すると標準、望遠、広角の3つのカテゴリーに分けることが可能です。最近では、超近接用のマイクロレンズもポートレイトに使われるようになりましたが、一応ここでは置いておきます。
まず、標準レンズで撮った写真は自分の目で見た風景とほぼ同じ写真となるので、撮影をする上でひとつの基準となります。問題は望遠と広角の2つのタイプです。望遠レンズは遠くのものを大きく写すためのレンズで、いわば望遠鏡のようなものです。ちなみに、さらに遠くを取るためのスーパー望遠レンズなるものもあります。
逆に、広角レンズは広い範囲を取るためのもので、その中でも、ほぼ180度の視界をカバーできるものを魚眼レンズとか超広角レンズなどと呼びます。これらのレンズを巧みに使い分けることによって目的に適した写真を撮ることができるのです。
それではポートレイトを撮るにはどのレンズが1番ふさわしいでしょうか。もしかすると、標準レンズと答える方が多いかもしれません。
確かに、扱いやすいという点では標準レンズが1番でしょう。しかし、それでは一眼レフを使う意味があまりなくなってしまいます。一眼レフの特性を生かすという意味ではここは望遠レンズと答えるのが正解です。遠くを撮るための望遠レンズがなぜ人物写真にふさわしいのか疑問に思う方も多いでしょう。実は望遠レンズには大きく写すことの下にもうひとつ特性があるのです。
レンズにはそれぞれ被写界深度というものがあります。これはどの程度の範囲までピントを合わせることができるかの尺度です。望遠レンズはこの被写界深度が浅く、人物にピントを合わせて撮ると背景の部分がピンボケになってしまいます。これは一見、欠点のように見えますがポートレイトの撮影の際には大きな力を発揮します。
つまり、人物に焦点を合わせて、後ろの背景をわざとぼやけさせることによって人物の存在を強調させることができるのです。
それに対して、広角レンズは被写界深度が深いのでピンボケがしにくいという特性があります。一度に広い範囲を記録しておきたいという場合には便利ですが、ポートレイトを撮影すると人物が風景に溶け込んでしまいテーマのぼやけた作品になってしまいます。それに、広角レンズは広いし視界をカバーするために写真が左右に引き延ばされ、人の顔が歪んで映ることがあるのです。
それでは広角レンズはポートレイトには向かないのかというとそうとも限りません。確かに、初心者には扱いにくいですが、工夫をすることで望遠レンズでは出せないおしゃれな写真を撮ることができるのです。
まず、被写体の顔が歪んでしまわないようにカメラの中央付近に映るようにします。さらに、被写体に対してカメラを直角に構えたのでは実際より太めに写ってしまいますので、被写体になるべく近づいて下から上へと見上げるようにして撮ってみましょう。そうすることで、中央で大きく映った被写体の後に立体感の伴った背景が重なり、臨場感のある豊かな写真を撮ることができます。