デジカメで上手に写真を撮影するテクニック
デジカメで上手に写真を撮影するテクニック
広い範囲を1枚の写真に写し込むことができる広角レンズですが、
レンズ収差によって画像にゆがみが発生してしまうことがあります。
高層ビルや歴史的建造物など、多くの直線で構成される建物の写真を撮る際に
目立ってしまう収差を低減する撮り方についてご紹介します。
焦点距離が30mm前後のレンズを標準レンズと呼びます。極端な誇張はなく、人間の目で見た状態をそのまま切り取ったような写真が撮れるレンズです。
これに対し、より広い範囲をフレームに写し込めるレンズ、焦点距離30mm以下のレンズを広角レンズと呼びます。広がりを感じさせる風景写真を撮りたい場合にはもってこいのレンズです。
また、被写体に近づいて撮ると遠近感が誇張され、デフォルメされた効果を楽しむこともできます。
広角レンズを使うと手前のものはより大きく、奥にあるものはより小さく写ります。狭い室内を見た目より広く写したい場合などにも効果的です。
神社仏閣や都会の高層ビル群など、建物の写真を撮影したい場合、垂直線が平行に伸びているような撮り方を意識すると、画面全体が整然と落ち着いた感じになり、建物が美しく見えます。
そのためにはレンズを地面から垂直に、建物と水平に構えることが重要です。
レンズを建物と水平に構えて撮っても、仕上がった写真を見ると建物がゆがんで見える場合があります。コンパクトデジカメではズームの広角側や一眼レフでは広角レンズを使った場合に多く見られる現象です。
これは、レンズ収差によってゆがみが発生するために起こります。特に広角では樽のように湾曲してゆがむ樽収差が多く発生します。
ひとつの建物を強調してダイナミックに撮りたい場合などには、この収差が効果的な場合もあります。しかし、建物を整然と安定感を持たせて撮りたい場合は、このゆがみは不適切だといえます。
建物の写真をゆがみなく整然と撮りたい場合、コンパクトデジカメではズームの望遠側、一眼レフでは望遠レンズを使うことがポイントです。ゆがみの少ないレンズの中心部を使って撮影するので収差をおさえて、自然な構図にすることができます。
旅先の町並みや路地の雰囲気などを写す時にも、広角で撮ると遠近感が強調されすぎて目で見たように写らない場合があります。
肉眼に近い雰囲気で町並みをそのまま写したいなら、少し望遠で撮影し、自然な遠近感を演出することが効果的です。
また、見晴らしのよいスポットからの風景写真にも、全体を写そうとつい広角を使いがちです。
風景全体を写そうとせず、一部分のみを望遠で切り取って撮影することで、ゆがみなく印象的な写真を撮ることができます。
最初はレンズの特性が分からないと思いますので、さまざまなシーンで焦点距離を変えて何度も撮影することをおすすめします。